塾なしでの高校受験は失敗する?塾なし受験のメリットデメリットと注意点

女子中学生二人

 

高校受験が近づくと塾に通ったほうがいいのか、塾なしで勉強を続けるのか迷う人も増えてきます。
塾なしで失敗することを考えると、志望校に合格するために塾に通った方がいいのではないかと考えるでしょう。
本記事では塾なしで高校受験は可能なのか、塾なしのメリットの他、デメリットとそれに付随する注意点について併せて解説します。

*目次

塾なしで高校受験は可能なのか?
 勉強習慣が身についている
 志望校の偏差値に届いている
 塾以外で受験のサポートができている
 親に情報収集能力がある
 内申点が高い
 進学校で教育環境が充実している

塾なしで高校受験するメリット
 塾に使う費用が節約できる
 自分で勉強する力が養える
 自分の時間を自由に使える

塾なしで高校受験するデメリット
 受験に対する情報が手に入らない
 勉強のスケジュール調整がしにくい
 モチベーションが上がりにくい

高校受験においての塾の役割
 授業内容を早期に取得できる
 基礎を定着させる
 入試に適した内容の勉強
 自分の学力を冷静に見つめられる
 高校入試情報が得られる
 受験の不安をサポートしてもらえる

まとめ

 

塾なしで高校受験は可能なのか?

一般的な高校入試は教科書の範囲内から出題されるため、受験までの勉強スケジュールが計画的に立てられるのであれば、独学でも問題はないでしょう。
志望校の入試問題の傾向がわかれば、それに合わせたレベルの問題集を選定し、スケジュール通りに勉強を進め入試対策ができます。
ただし、すべての人が受験の本番に合わせて計画的に勉強を進められるわけではありません。
成績が落ち込んだ場合には、原因を特定し対策する必要もあります。
以下は、通塾に関するデータを表にしたものです。

学年

通塾率

中学1年生

34.5%

中学2年生

36.8%

中学3年生

42.1%

文部科学省が公開した「平成30年度子供の学習費調査」の結果によると、中学1・2年生は約3割、中学3年生は約4割以上が塾に通っていることがわかります。
その他の調査でも、中学生全体の54.2%が学習塾に通っているのが読み取れる結果です。受験の情報収集はもちろんですが、成績の不安から塾に通う人が多く、勉強方法に不安を抱えている状況が見えてきます。

勉強習慣が身についている

塾なしでも高校受験に失敗しない人は、自分なりの勉強方法が身についています。
学習塾は「成績を上げるため」に通うイメージがありますが、基本的な学習習慣をつけるのも目的の一つです。
決まった曜日や時間に、学習する癖をつけることで集中して勉強に向き合い、理解が深まれば成績も上がります。
高校受験から逆算し、目標に到達するまでの学習スケジュールを自分で計画できる人は、塾なしでも合格を目指せます。
志望校の合格ラインと自分の学力の差を冷静に判断し、目標に到達するのはどのような学習計画が必要なのか、しっかり考えられる力が必要です。

志望校の偏差値に届いている

塾なしで志望校に合格するには、自分が希望する学校の学力に近づかなければいけません。
自力で学力を向上させられる勉強法が身についており、毎日コツコツと勉強に取り組む習慣があれば問題ないでしょう。
実力が志望校の偏差値に近い、もしくは届いていることも大切な条件ですが、過去問題を分析し出題傾向に合わせて自主的に勉強できるのも重要です。

塾以外で受験のサポートができている

現在の自分の実力と志望校の距離感を把握することは、計画的に受験勉強を進めるために重要なポイントです。
公立志望であれば、地域で行われている模擬試験を積極的に受けて、返却資料から偏差値や合否判定をチェックしましょう。
加えて、解けなかった問題や間違った問題はそのままにせず、苦手を意識し何が理解できていないのか分析して勉強計画を立て直す必要もあります。
家庭教師や通信教育など、自分の学習ペースに合ったサポートを受けられる環境が整っているのが大切です。

親に情報収集能力がある

進学塾は多くの学生をサポートしてきた経験と知識があり、高校入試のデータから傾向や対策を考えた指導が可能です。
各高校の特色や入試内容についても詳しく、細かなアドバイスがもらえるため、早めの対策で合格確率も上げられます。
塾なしで高校入試に関する情報収集をするには、両親のサポートが重要です。
各高校の受験案内やホームページなどを地道に調べ、進みたい道に合致している学校を探すのは時間と手間がかかります。
公立と私立、学校によって入試科目が異なる場合もあり、試験のスタイルもさまざまです。
加えて、オープンキャンパスの有無や申込期間などに合わせて、念入りな準備も必要です。
塾では入試関連の情報が共有されますが、勉強方法を独学に限定している人は、受験勉強と並行して収集を行わなければなりません。
志望校を決めるタイミングも重要なため、両親に情報収集能力があることが大切です。

内申点が高い

公立高校受験は、学力テストの内申書の評価も影響し合否が左右されます。
入試の点数が高くても、内申点が低いと合格できない可能性があり、定期テスト対策に力を入れる人も多い傾向です。
塾でも定期テスト対策に力を入れ成績アップを目指すことから、学力・内申点ともに高い点数を取れると、合格率も高くなると考えられています。
中学生の内申点は、テストの点数だけでなく、日常的な生活態度や頑張りなども評価されています。
部活動や検定などの他、より重視されるのは「学びに対する姿勢」や「積極的な行動」です。
学校内・クラス内でどのように活動しているか、周囲に対する気配りや積極性が評価されます。
テストの点数に加えて、内申点も確保できている場合は塾に通わずに志望校合格を目指せるでしょう。

進学校で教育環境が充実している

将来を考慮し、中学受験を選択する家庭は増加傾向にあります。
とくに有名大学に入学するための学力向上を目標にしている場合は、大学付属校の他、進学校が選ばれています。
進学校は大学受験を焦点にあてた授業が行われており、公立中学校よりもハイレベルな内容が取り入れられているのが理由です。
教育環境が充実しているため、学校の授業だけでしっかりとした学力向上が目指せます。
とくに上位の成績であれば、塾に行かなくても外部高校受験に対応できるでしょう。

 

塾なしで高校受験するメリット

前述した通り、調査により中学生の半数以上が通塾している結果が出ています。
言い換えればそれ以外は塾を利用しておらず、独学を選択している生徒です。
ここでは、塾なしでの高校受験を選択するとどのようなメリットが得られるのか、主な3つを紹介します。

塾に使う費用が節約できる

塾に通う選択をした場合、毎月の塾費用や教材費はもちろん交通費が発生します。
徒歩や自転車で通える場合を除き、バスや電車での移動を伴う範囲の塾は交通費が必要です。
塾では「定期テスト対策」や「強化講習」の他、「夏季・冬季講習」などもあり、その都度費用がかかります。
学習塾に必要な年間費用の目安は以下の通りです。

学年

公立中学生が塾にかける費用

私立中学生が塾にかける費用

中学1年生

14万7千円

17万8千円

中学2年生

21万5千円

22万7千円

中学3年生

36万3千円

25万7千円

参考: 文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」

中学3年生になれば強化講習や定期テストなどが増えるため、1・2年生時に比べて、より費用負担が大きくなります。
独学を選ぶと、塾への支払いが発生せず費用負担を抑えられるのは大きなメリットです。

自分で勉強する力が養える

できないことを指摘されて勉強するスタイルが定着すると、自分で考えて解く力が養えません。
また、集団指導型の学習塾ではカリキュラムに合わせて進むため、馴染めないとペースが合わず負担になる可能性があります。
塾なしでの独学なら、自分の苦手科目や復習に自分のペースで時間を使い受験対策を進められます。
自分で考え知識を積み重ねていけるので、勉強する力を養えるでしょう。

自分の時間を自由に使える

通塾に時間がかかり、自由な時間がなくなることがストレスになる人もいます。
校外運動や部活動など勉強以外のことにも取り組み、中学生活を実りあるものにしたいと考える中学生もいるでしょう。
自由な時間があると部活動などにも取り組め、計画的に行えば勉強との両立を自主的に考える力も身につけられます。

 

塾なしで高校受験するデメリット

塾なしでも高校受験に臨むのは可能です。
メリットもあるため、独学を選ぶ人もいるでしょう。
しかし、塾なしで高校受験するのはデメリットもあるので、事前の把握が大切です。

受験に対する情報が手に入らない

一般的に入試問題は教科書の範囲内からの出題となりますが、高校によっては出題傾向に大きな差があります。
志望校の出題されやすい分野や難易度、毎年の傾向と対策などを自力で入手するのは難しいでしょう。
最新情報やそれらのデータは塾でなければ入手が困難なため、塾なしでの受験は不利な部分が大きいといえます。

勉強のスケジュール調整がしにくい

自ら計画を立て、必要な学習を探しながら進める習慣が身についていないと、間違った勉強方法での受験になりかねません。
高校受験にもなれば家族が勉強を見ることが難しい内容もあり、間違った認識を修正するのに時間がかかる可能性も考えられます。
勉強スケジュールを立てて計画通りに進める習慣が身についていないと、とくに塾なしでの受験は厳しいものになるでしょう。

モチベーションが上がりにくい

塾にはさまざまな学校から生徒が集まり、中には志望校が同じであったり将来の夢や目標が近い仲間にも出会えたりするでしょう。
勉強方法などを話し合い、お互い刺激し合いながら成績アップが目指せます。
塾なしの場合、成績が上がらず壁にぶつかっても自力で解決しなければなりません。
テストの結果が思うように上がらず落ち込んでしまうと、モチベーションを保つのが難しくなるため注意が必要です。

 

高校受験においての塾の役割

塾が必要か、塾なしのまま受験するかを決めるには、「何のために通塾するのか」を考える必要があります。
塾に通うとどのような効果があるのかその役割を知り、通塾もしくは塾なしのどちらを選択するのか、参考にしてください。

授業内容を早期に取得できる

受験対策に特化した「進学塾」は、授業内容が前倒しで進められます。
それに伴い入試問題に早い段階で取り組めるため、進学校を志望する中学生が多く集まります。
先取り学習は学習習慣の定着や、主体性を持てるなどのメリットもある学習方法です。
高校受験後にも活かせるような、勉強に取り組む姿勢を身につけられます。

基礎を定着させる

塾によって学習スタイルはさまざまですが、近年では生徒のレベルにマッチした個人カリキュラムを作成し高校受験対策をするところも多くなりました。
学力が不足している生徒の場合、基礎を中心に高校受験対策に有効な問題を取り入れながら、指導を受けられます。
定期テストや講習などのサポートも手厚く、個人に合わせたカリキュラムで最適な受験対策が可能です。

入試に適した内容の勉強

一般的な高校入試は教科書の範囲内から出題されるとはいえ、どこから入試問題が出題されるのか具体的な詳細はわかりません。
塾の講師は過去の出題傾向を分析し、入試に適した勉強方法や応用問題にも強くなるように指導できます。
志望校に合わせた内容でカリキュラムを組めるため、個人で勉強するよりも効率的な受験対策が可能です。

自分の学力を冷静に見つめられる

志望校合格を目指すには、自分の学力がどれくらいなのかを知るのが大切です。
視覚的に学力を把握しなければ自分の得意・不得意がわからず、適切な勉強計画も立てられません。
塾で行われる模試は、現在の学力を数値化し冷静に判断するのに有効な指標です。
志望校の配点が高い科目が不得意とわかれば、早い段階から重点的に勉強に取り組む判断ができます。
現在の学力と合格ラインが近い科目は後半でしっかり勉強し、平均点以上を取れるよう効率的な計画を立てるのも可能です。
学力の把握と得意・不得意科目の対策を繰り返し、効率的に合格できる成績を目指せます。

高校入試情報が得られる

高校入試の出題傾向は学校によって異なる他、方針転換で内容ががらりと変更されるケースもあります。
塾には最新情報が集まりやすく、学校よりも早く対策を考えられます。
塾なしでは手に入らない情報を、早い段階で得られるのは大きなメリットです。

受験の不安をサポートしてもらえる

成績がよく勉強ができても、高校受験に対する不安が残ることはあるでしょう。
ライバルである同級生とは、受験が近づくとお互いに神経質になり声をかけづらくなる可能性もゼロではありません。
塾講師は多くの受験生と関わりながら合格へと導いているため、不安になるタイミングや理由も把握した上での対応が可能です。
学生の不安を感じ取り、さりげなくサポートしてもらえるのも塾のメリットといえます。

 

まとめ

高校受験に塾なしで臨み合格するのは、不可能ではありません。
学力と勉強習慣が定着していれば問題ないでしょう。
ただし、受験の詳しい情報やモチベーションの維持が難しい点など、デメリットもあるので注意してください。
通塾を検討する際は、まずは無料体験で塾の雰囲気や授業内容を判断するのもおすすめです。
自分のペースや求める勉強方法にマッチしたところを選んでください。
当校には大学生講師も多く、生徒に近い存在として勉強や受験の悩みの解決にも力を発揮します。
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監修:河原紀夫
ECCベストワン藤沢校 学校長

横浜生まれ、鳥取育ち。
東京外国語大学外国語学部(現国際社会学部)中退、青山学院大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科中退。
大学生時代に塾講師として教壇に立ち、そのまま塾業界へ。塾業界28年。
「先生、できた!」「先生、ここが分からないんですけど」が大好物。
3歳から慣れ親しんだ自然も、田舎暮らしの中で憧れた都会の喧騒もどちらも好み、そのどちらも共有できる神奈川県藤沢市に在住。
都会と田舎を行き来するドライブと読書が趣味。養老孟司と大森正蔵とマーク・トゥエイン、J・D・サリンジャーを愛読。

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