ながら勉強は本当に効率的なのか?メリット、デメリットや注意点を解説

 

音楽を聴きながら勉強したり、暗記したりすることはないでしょうか。
ながら勉強すると集中力がアップするとの声もありますが、本当に効率がよい方法でしょうか?
本記事では、ながら勉強は効率的なのか、メリットや注意点などを解説します。

*目次

ながら勉強とは

ながら勉強にメリットはある?
 リラックスして勉強できる
 勉強に集中できる
 効率よく時間を使って勉強できる
 モチベーションを維持しやすい

ながら勉強にはデメリットもある
 全体的な効率が低下する
 集中力が維持できない
 受験本番で本来の力が発揮できなくなる

ながら勉強の活用方法
 音楽は小さめにする
 香りを楽しみながら
 自転車をこぎながらアウトプット
 筋トレなど運動しながら勉強する
 歩きながら

ながら勉強で注意すべきポイント
 教科ごとに絞り込んで勉強する
 合わなかったらやめる

ながら勉強でやってはいけないこと
 電話しながら勉強
 ガムを嚙みながら勉強
 食事をしながらは非効率的

ながら勉強のまとめ

 

ながら勉強とは

ながら勉強」とは、何かをやりながら勉強することです。
音楽を聞いたり動画視聴したりなどが挙げられ、受験生を含む多くの若者が何かしら、ながら勉強をやっています。
日常的に何かをしながら音楽を聞いたり、スマートフォンを操作したりする機会が多い現代人には、難しい作業ではないのかもしれません。
個々の性格やリズムによって、メリットにもデメリットにもなります。

 

ながら勉強にメリットはある?

多くの学生が、ながら勉強をした経験を持っているのではないでしょうか。
2つのことを同時におこなうため、効率を考えると良くありませんが、気持ちを落ちつける効果などがメリットとして期待できます。

リラックスして勉強できる

癒やし系の音楽を聴くと気分が落ち着き、リラックスできると感じる人も多いでしょう。
クラシック音楽には「1/fゆらぎ」が含まれており、聴くと脳がリラックス状態になるともいわれています。
雨の音や川のせせらぎなどの自然の環境音を聴くと、同じように気持ちが落ち着き集中力を高める効果が期待できます。
ロックやダンスミュージックのように、ハイテンポな音楽を聴くとリズムに合わせて暗記がしやすくなるなど、個人で感じ方も違うようです。

勉強に集中できる

睡眠不足が続くと集中力が低下し、イライラして気持ちが乱れやすくなり、机に向かっても勉強に身が入らなくなります。
イヤホンなどで音楽を聞くと、雑音をシャットアウトできて気持ちを落ち着かせることが可能です。
机回りに集中力の妨げになるものを置かないようにして、スマートフォンなどは片付けてしまいましょう。
体を軽く動かしたり音楽を聴いたりすると、リラックス効果があるため、心が安定し勉強に集中できる環境を作れます。

効率よく時間を使って勉強できる

お風呂に入って湯船につかりながらや、散歩・ウォーキングなどで体を動かしながらの勉強は、脳を活性化させて作業効率のアップが認められています。
ストレス解消のために体を動かしつつ時間を無駄にしないながら勉強であれば、効率的であるといえるでしょう。
電車に乗っている間やホームでの待ち時間など、通学中の時間を使った勉強法も取り入れてみてはいかがでしょうか。

モチベーションを維持しやすい

ながら勉強は、リラックス効果だけでなく気持ちの切り替えにも役立ちます。
気持ちの切り替えができると、モチベーションを維持しやすくなるため、勉強にも集中できます。
勉強中に音楽を聴いたり、体を動かしたりするだけでも効果が期待でき、アロマディフューザーを使って香りを楽しみながら机に向かうのもおすすめです。

 

ながら勉強にはデメリットもある

ながら勉強にはリラックス効果や集中力アップなど、普段の勉強はもちろんテスト前にも必要な要素があるため、やったことがない人もチャレンジしてみたくなるでしょう。
しかしながら、すべての人に向いているわけではなくデメリットもあるので、理解したうえでチャレンジしてください。

全体的な効率が低下する

人によっては音楽を聴いたりテレビの音を聴いたりしながらでも、勉強できる人もいるかもしれません。
複数の作業をこなす場合、脳はどちらにも注意を向けてしまうため、効率が悪くなる場合がほとんどです。
何かをしながら勉強すると注意力が低下し、記憶が定着しにくくなります。
自分では勉強できているように思えていても、実際には勉強に集中できていないケースもあるので注意が必要です。

集中力が維持できない

音楽を聞き流せて、リズムで勉強できるのなら問題はありません。
しかし、音楽に集中して手が止まったり、リズムを取りすぎて勉強に集中ができなかったりするケースもあります。
音楽やリズムにはリラックス効果があり集中力が高まりますが、勉強ではないほうに気を取られ、勉強に対する集中力が切れてしまうと問題です。
これでは、どこまで勉強したか、どこまで覚えたのかが曖昧になり効率が悪くなります。
勉強への集中が維持できないと、モチベーションも低下し、投げやりな気持ちになるでしょう。
ストレスにつながる悪循環になるため、このような場合には、ながら勉強を中止しましょう。

受験本番で本来の力が発揮できなくなる

ながら勉強のデメリットは、受験本番に影響する可能性がある点です。
くせになってしまい、何かをしながらでなければ集中できなくなると、本番で力を発揮できません。
受験当日に成果を発揮できないような勉強方法では、これまでの努力が無駄になってしまいます。
静かな環境でも集中して実力を発揮できるように、本番と同じ条件で練習しておきましょう。

 

ながら勉強の活用方法

ながら勉強は、体調がすぐれないときや、ストレスがたまって集中力が低下しているときに有効です。
自分の気持ちと向き合いながら利用すれば味方になってくれるので、活用方法を考えてみましょう。

音楽は小さめにする

音楽があると集中できる人もいますが、勉強よりも音楽のほうに関心が移ってしまい、本来の目的である勉強が進まないケースもあるでしょう。
音楽を聞いていると周りの雑音が遮断され、勉強に集中しやすくなる場合もあります。
しかし、音楽のある状況に慣れ過ぎると、音楽がないときに周囲の小さな音が気になって、集中できなくなるおそれがあるので注意が必要です。
生活音などの外部の音が邪魔になって落ち着かない場合は、できるだけ音量を下げて、聞き流す程度にしておきましょう。
できれば音楽がない時間での勉強にもチャレンジしてみてください。

香りを楽しみながら

集中力を高めるためには、香りのリラックス効果を利用するのもおすすめです。
音楽とは異なり、思考を中断することなく気持ちを落ち着ける効果が期待できます。
コップに入れたお湯の中にアロマオイルを数滴たらし、机に置くだけなのでやり方は簡単です。
香りを途切れさせたくない場合には、アロマディフューザーを使いましょう。
すがすがしい香りのローズマリーは、眠気を覚まし、やる気を起こさせる効果があります。
集中力を高めたいときや、ストレスを感じているときにもおすすめです。
夏場など、暑さで疲弊しているときには、柑橘系の香りもよいでしょう。
気持ちを落ち着け集中したいときには、森林浴気分を味わえるウッディ系の香りがおすすめです。
自分が好きな香りを探して利用してみましょう。

自転車をこぎながらアウトプット

自転車通学であれば、自転車をこぎながら勉強してみてはいかがでしょうか。
運動すると記憶力がアップするとわかっており、10分程度の適度な運動で十分な効果が得られます。
自転車をこぎながらスマートフォンを使ったり単語帳をみたりするのは危険なので、授業で習った内容を頭のなかで反復してみましょう。
短い時間でも、勉強した内容を反復すると記憶に定着していきます。
歴史などは時系列でどこで、誰によって何が起こったのかを何度も繰り返し思い浮かべれば、アウトプットができます。
部分的に覚えるよりも、流れに沿って記憶していけば忘れにくくなり、的確な答えを導き出せるでしょう。

筋トレなど運動しながら勉強する

集中力が持続せず、勉強すると疲れてしまうのは、脳を部分的にしか使えていないからです。
疲労が蓄積しないように、広い範囲で脳を働かせるようにしましょう。
運動すると脳が刺激され活発に働くようになるため、早朝勉強前のウォーキングやラジオ体操がおすすめです。
勉強内容を定着させるために、休憩を取って散歩に出かけたり、スクワットなどの筋トレをしたりするのも効果があります。
軽く体を動かせば記憶が定着しやすくなり、勉強疲れも吹き飛ぶでしょう。

歩きながら

自転車通学でなく徒歩で学校に通っているなら、歩きながらの勉強がおすすめです。
歩きながらであれば、単語帳を見るときには立ち止まって確認できるので、自転車を運転しながらよりも安全です。
勉強に夢中になって横断歩道で立ち止まるのを忘れたり、ぼんやりして人や電信柱にぶつかったりなど、危険がないように注意してください。
買い物に出かけたときには、勉強した内容を反復するなど、時間を有効に使いたいときにやってみましょう。

 

ながら勉強で注意すべきポイント

ながら勉強が自分に向いているようであれば、家庭学習に取り入れてみてもよいでしょう。
効果的に取り入れるためには2つのポイントに注意してください。

教科ごとに絞り込んで勉強する

集中力が高まり、効果がある場合でも、すべての教科をながら勉強に頼ってはいけません。
音楽を聴きながらの勉強は、暗記問題には効果的ですが、計算問題には向いていない傾向があります。
また、歌詞がある音楽を聴くと、暗記問題であっても弊害が出てしまうため注意が必要です。
長文を読んで考える読解力が必要な勉強や、英文の解読などには向いていません。
理解能力が必要な文系科目は、音楽ではなく運動や香りなどを利用して勉強するとよいでしょう。

合わなかったらやめる

複数の作業を同時におこなうのが得意な人もいれば、1つのことに集中して能力を発揮する人もいます。
多くの人にとっては、複数の作業を平行して完璧にこなすのは難しいものです。
勉強の場合も同様で、ながら勉強で効率が上がっているように感じていても、実際の作業効率は上がっていない場合もあります。
また、普段音楽を聞かない人が、音楽を聴きながら勉強をしても、集中できずにイライラするケースもあるでしょう。
人によって向き不向きがあるため、効果があると勧められた方法でも、自分に合わない場合はやめましょう。

 

ながら勉強でやってはいけないこと

適度に取り入れる分には問題ありませんが、やってはいけないことや効果が得られないことがあるので注意してください。
時間を有効に使ってスムーズに勉強を進めたい気持ちはわかりますが、以下の3つのことはやらないようにしましょう。

電話しながら勉強

勉強でつまずいた点やわからない点は、友人に電話をして聞くこともあるのではないでしょうか。
苦手な問題を教え合うだけでなく、励まし合って進められれば、勉強がはかどるメリットがあります。
しかし、雑談が多くなったり説明が長くなったりして、勉強時間が短くなる可能性もあります。
自分のペースが乱れてしまい、疲れやすくなるため注意が必要です。
学力を比較して、やる気を失ってしまう人もいるため、電話をしながらの勉強はやめましょう。

ガムを嚙みながら勉強

眠気の防止にハードミントガムを噛む習慣がある人もいるかもしれません。
スポーツ選手のなかには、集中力や心拍数を安定させ自分をコントロールするためにガムを噛む場合もあります。
アゴを動かすと、脳が刺激され活性化するため、記憶力もアップし勉強にも効果があるそうです。
しかしながら、だらだらとアゴを動かしていると疲れてくるうえに、計算などの集中力が必要な作業では咀嚼が集中の邪魔になる場合もあります。
ガムを噛むなら休憩時間を使い、ガムを噛みながら勉強するのはやめましょう。

食事をしながらは非効率的

リスニングは、耳しか使わないため食事をしながらでもできる勉強法です。
テスト前の勉強は1分1秒でも無駄にできない気持ちがあるため、軽食を取りながら勉強することもあるでしょう。
食事をする行為には脳を使うので、集中力や思考力が低下します。
さらに、食事をすると血液は消化器官に集中するため、脳の働きが鈍くなります。
勉強の能率も悪くなり、勉強した内容の定着も難しくなるでしょう。
食事をするなら、いったん休憩して、息抜きをしてから再開するのがおすすめです。

 

ながら勉強のまとめ

自分に都合よく解釈し、ながら勉強に頼ってしまうと自分をコントロールできなくなります。
テスト本番は、自分のパフォーマンスを最大限に発揮しなければなりません。
頼り過ぎないようにするためにも、ながら勉強はほどほどにし、テスト当日に実力が発揮できるようにしましょう。
勉強する前に、音楽を聞いたり運動したりして集中力をアップさせ、リラックスした状態になれるように心がけてください。

 

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監修:河原紀夫
アカデミー湘南!やれば出来る、やる気学習ゼミ 学校長

横浜生まれ、鳥取育ち。
東京外国語大学外国語学部(現国際社会学部)中退、青山学院大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科中退。
大学生時代に塾講師として教壇に立ち、そのまま塾業界へ。塾業界28年。
「先生、できた!」「先生、ここが分からないんですけど」が大好物。
3歳から慣れ親しんだ自然も、田舎暮らしの中で憧れた都会の喧騒もどちらも好み、そのどちらも共有できる神奈川県藤沢市に在住。
都会と田舎を行き来するドライブと読書が趣味。養老孟司と大森正蔵とマーク・トゥエイン、J・D・サリンジャーを愛読。

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