神奈川県立高校入試│特色検査とは?難しい?内容&8つの対策を紹介!

 

人の顔の積み木と文字「合格」と「不合格」

 

神奈川県立高校入試では、5科目の教科横断的な学力や、各校の学科・コースの特色に応じた自己表現・技能などを判定する特色検査が実施されています。
特色検査では、論理的な思考力や表現力、記述力などが評価の観点となっており、一般的な高校入試とは少し異なる対策が必要です。
この記事では、特色検査の内容や実践すべき8つの対策を詳しく紹介します。

 

*目次

神奈川県立高校入試の「特色検査」とは?
 特色検査で問われるスキル
 特色検査は対策しにくい試験
 特色検査が行われているのはなぜ?

特色検査の種類・内容
 実技検査
 自己表現検査
 面接

特色検査実施校と配点比率

特色検査の出題内容・過去問

近年の特色検査の出題傾向

特色検査対策は受験勉強の負担が大きい?

特色検査のための8つの対策
 1:5教科の基礎学力を高める
 2:特色検査の過去問を解く
 3:グラフ・表・文章などのデータに触れておく
 4:普段から思考力や表現力を磨いておく
 5:多くの問題に触れて苦手や不足している部分を知る
 6:自分の学力レベルに合わせた対策をする
 7:特色検査対策模試を受ける
 8:塾に通って特色検査対策をする

ベストone藤沢校は特色検査対策に力を入れています

まとめ

 

神奈川県立高校入試の「特色検査」とは?

差し棒を持った講師

 

特色検査とは、神奈川県教育委員会によって作成されている、神奈川県立高校入試における独自の試験です。

主に難関校と呼ばれる高校の入試で実施されており、一般的な試験にはないような専門的な課題で個人の論理的思考力や表現力、身体的な能力、技術力などを測定します。

2023年度の神奈川県立高校入試では、19校で特色検査が実施されています。出題する問題は、私立横浜サイエンスフロンティア高校を除き、県の教育委員会が作成していると言われており、学校ごとに特色があるのが特徴です。

特色検査で問われるスキル

特色検査の自己表現検査や実技検査では、以下のようなスキルが評価の対象となっています。

  •  論理的な思考力/判断力/表現力
  •  科学的な思考力/判断力/表現力
  •  創造力及び想像力
  •  情報活用能力
  •  基礎身体運動技能
  •  専門競技運動技能
  •  演技表現力など

高校によって、問われるスキルや姿勢が異なります。上記以外にも、高校生活に対する意欲と積極性や協調性、自分の人生を選択する力などが評価の観点になっていることがあります。

詳しくは、神奈川県教育委員会が策定した「特色検査の概要」で確認できます。

特色検査は対策しにくい試験

特色検査は、教科や分野に既存しない知識と解答が求められる、教科横断型の出題傾向にあります。つまり、特定科目の教科書の太文字を暗記するような対策では、合格が難しいと言われています。

例えば、地理で特産品に関する出題があった場合、単純に地域と特産品を暗記しただけでは問題を解くことができません。特産品になった理由をその土地の気候風土などを考慮し、論理的に説明することが求められます。

また、グラフや図から必要な情報を読み取り、自身の言葉で論理的な解答に導くような出題も過去にありました。

特色検査の解答には、教科書で学べないような個人の思考力・記述力が必要になるため、一般的な試験よりも対策が難しいです。

特色検査が行われているのはなぜ?

特色検査が行われている理由は、生徒の個性や特性を評価し、多様な能力や興味を持つ生徒に適切な教育環境を提供するためです。

学校側としては、生徒の得意分野や興味を測定する試験項目を設けることで、単純に知識だけでなく、幅広いスキルや資質を備えた生徒を受け入れることができます。

生徒側としても、自身の興味や将来の進路に合わせて適切な選択肢を選ぶことで、その分野に関する専門知識を深く学ぶ機会を得られます。

特色検査は、学校の特色と生徒の個性をマッチングさせる目的の入試でもあり、昨今における大学入試改革の一貫とも言えます。

 

特色検査の種類・内容

地球儀と辞書とノート

特色検査は、大きく分けて実技検査と自己表現検査の2種類あります。

令和6年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要』をもとに、特色検査の問題の種類や内容を解説します。

実技検査

実技検査は、主に体育・美術・音楽・デザインなどの学科・コースを設けている高校で実施されています。

評価の観点は、運動能力の高さや技術の正確性、表現力の豊かさなど、検査によって様々です。

例えば、神奈川工業のデザイン科では、与えられたテーマに沿って、2H〜4B程度の鉛筆と消しゴムを使ってデッサンをする検査があります。この検査では、完成への意欲や表現の技術、空間と形状の把握力などが評価の観点とされています。

サッカーやバスケットボールの検査では、基礎身体能力に加えて、技術の高さや専門性なども求められます。

なお、具体的な合格ラインについては各校で非公開としています。

自己表現検査

自己表現検査は、身体的・表現的な学科・コースを除く、普通科や福祉科などで採用されている検査です。

論理的思考力や判断力、表現力、情報活用能力などが評価の観点となっており、教科横断的な出題がされます。例えば、提示された文章や資料を読み、これまで習得してきた知識や技能を駆使し、論理的な解答に導く検査があります。

他にも、各校から事前に与えられたテーマに沿って、自己表現やスピーチを行う、制限時間内に自己表現カードの作成や質疑応答を行うなどの検査が行われています。

共通問題・共通選択問題

学力向上進学重点校およびエントリー校では、共通問題と共通選択問題が出題されます

共通問題は、特色検査を実施する全ての学校に設けられています。2023年においては、英語の長文読解を中心とした問題と、日本語の長文読解・資料の解釈を中心とした教科横断的な問題の2種類が大問として出題されました。

共通選択問題は、大問3〜7のうち、各校が選択したものだけが出題されます。共通問題も共通選択問題も、初めて見る資料に対する理解や論理的な解答が求められる傾向にあります。

学校独自問題

共通問題と共通選択問題に含まれない、学校独自の問題が出題されるケースもあります。

2022年度の特色検査では、横浜市立サイエンスフロンティア高校が独自問題を出題しています。

かつての特色検査では、各校が独自問題を採用していましたが、現在は横浜サイエンスフロンティア高校のみが独自問題を採用しています。(2023年度時点)

面接

特色検査では、10分〜15分程度の個人面接も実施されています。

各校の面接では、以下のような項目を評価の観点としています。

  • 入学希望の理由
  • 高校生活や学習、部活動に対する意欲や積極性
  • 物事に対して地道に努力する姿勢
  • 学校や学科の特色の理解度
  • 将来の展望
  • 面接時の態度など

出願時に面接シートを提出する必要があり、志望動機や自己PRを記載します。

ただし、記載した内容が直接合否に影響するわけではなく、あくまで面接当日の受け答えが評価対象となります。

 

特色検査実施校と配点比率

青空と校舎

2024年度(令和6年度)における、特色検査の実施校と配点比率が発表されています。

 

 

 

1次選考の比率

2次選考の比率

高校

学科/コース

特色検査

学習の記録記録/評定

学力検査

特色検査

学力検査

主体的に学習に取り組む態度/評価

厚木

普通科

2

4

6

2

7

3

鎌倉

普通科

1

4

6

1

8

2

川和

普通科

1

4

6

1

7

3

希望ケ丘

普通科

1

4

6

1

8

2

光陵

普通科

1

5

5

1

8

2

県立相模原

普通科

1

5

5

2

8

2

湘南

普通科

2

4

6

2

8

2

多摩

普通科

2

4

6

2

8

2

茅ケ崎北陵

普通科

1

4

6

1

8

2

柏陽

普通科

2

3

7

2

8

2

平塚江南

普通科

1

3

7

1

8

2

大和

普通科

1

4

6

2

8

2

横須賀

普通科

1

3

7

1

8

2

横浜翠嵐

普通科

3

3

7

2

8

2

横浜平沼

普通科

1

5

5

2

8

2

横浜緑ケ丘

普通科

2

4

6

2

8

2

小田原

単位制普通科

1

4

6

1

8

2

横浜国際

単位制国際科

1

4

6

8

2

横浜国際

単位制国際科

国際バカロレアコース

2

4

6

 

 

 

出典:令和6年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要

 

特色検査の過去問

ノートに赤ペンで書いている

2023年度(令和5年度)に実施された特色検査では、各校で共有問題(問1〜2)と以下の共通選択問題(問3〜7)が出題されました。

 

高校

共通選択問題

川和・相模原・大和・横浜国際(国際科)

問3・問4

湘南・横浜平沼・茅ケ崎北陵

問3・問5

横浜緑ケ丘・横須賀・希望ケ丘

問3・問6

横浜翠嵐・厚木

問6・問7

柏陽・平塚江南

問4・問5

小田原・多摩・光陵

問4・問6

鎌倉

問5・問7

具体的な出題の内容については、以下を参照ください。

 

出典:2023年度 神奈川県内公立高校入試 特色検査|カナロコ

 

近年の特色検査の出題傾向

2冊の教科書とルーズリーフ

学力向上進学重点校5校(横浜翠嵐・湘南・柏陽・厚木・川和)の共通選択問題では、過去数年で数学に関する問題を多く出題する傾向がありました。

2023年においては、数学に加えて理系科目の出題も多く見られています。また、音楽・美術・保健体育・技術家庭の技能4科目に直接関連した出題は見られませんでした。

科目に関わらず共通しているのが、初見の資料が提示され、その情報を論理的に読み取り、解答に導く出題が多いことです。

これまで培ってきた教科横断的な知識や応用力を活かし、時間配分に注意しながら挑戦する心構えが大事になります。

 

特色検査対策は受験勉強の負担が大きい?

3冊のノートと2本のボールペンと定規とクリップ

一般的な県立高校入試とは異なり、特色検査のある高校では独自に試験対策を行う必要があります。

単純に学力を向上させるだけではなく、学校や学科の特色に応じた予備知識や技能の習得も求められるため、受験勉強の負担が大きいと感じる人も多いです。

思考力・表現力・記述力などが特色検査の評価の観点となるため、これらの能力が足りない人は、学習塾に通って実力を身につけることも視野に入れましょう。

 

特色検査のための8つの対策

ホワイトボードに書こうとしている講師

ここからは、特色検査で良い成果を出すために、実践すべき8つの対策を紹介します。

1:5教科の基礎学力を高める

特色検査には5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の問題が含まれることが多いため、各教科の基礎学力を高める必要があります。

教科ごとに、基本的な概念やルールをしっかりと理解する学習方法を選び、毎日少しづつでも基礎を身につけていきましょう。

また、論理的な知識を実際の問題に適用する力を養えるよう、各教科の演習問題にも積極的に取り組むことが大事です。

5教科をバランスよく学習するためには、タイムマネジメントを工夫し、各教科に適切な時間を割きましょう。

2:特色検査の過去問を解く

特色検査の過去問を解くことで、出題の形式や傾向の理解に繋がり、学習の方向性を定めやすくなります。

特色検査の過去問は、神奈川県教育委員会や各校の公式サイトで公開されている場合があります。

オンライン書店や教材販売サイトでも購入できますが、学校や学習塾で提供しているケースもあるため、入手できるか尋ねてみましょう。

3:グラフ・表・文章などのデータに触れておく

特色検査では、グラフや表、文章などを読み取り、自身の意見を数百文字程度で記述する出題があります。

そのような出題に慣れておくためにも、膨大な情報量から必要な情報を抽出し、妥当な結果を導く訓練をしておきましょう。

また、見慣れない単位や計算式が登場して困惑する人もいるため、日頃からあらゆるデータに触れておくことも大事です。

4:普段から思考力や表現力を磨いておく

普段から思考力や表現力を磨くことで、問題解決や文章作成に自信を持って取り組むことができるようになります。

例えば、クラスメートとのディスカッションを通じて、異なる視点を理解し、自分の意見を論理的に主張する訓練を行います。

表現力では、文章の執筆における記述力も求められるため、読書を通じて様々な分署スタイルで表現方法を学び、自身の表現に活かせるようにしておきましょう。

プライベートのシーンでも、論理的なパズルやゲームを解くことで、論理的思考や問題解決力を養うことができます。

5:多くの問題に触れて苦手や不足している部分を知る

幅広い分野や難易度の問題に挑戦することで、苦手な問題のタイプや足りない知識を知ることができます。

自己分析をした後はピンポイントで対策できるため、無駄な時間を使わずに効果的な学習を行なえます。

5科目の問題集や参考書での学習、特色検査の過去問などに取り組んで現時点での実力を測定し、徹底的に弱点を補っていきましょう。

6:自分の学力レベルに合わせた対策をする

特色検査対策で習得すべき知識や能力は多岐にわたりますが、まずは自身の学力に合わせた学習方法を選びましょう。

5科目の過去問に挑戦して400点以下だった場合、400点を超えるまでは5教科の基礎学力を高めることに集中します。

400点を超えるようになってからは、苦手な分野の問題を徹底的に対策していきましょう。例えば、英語の長文読解が苦手な人は、英語のスキルアップに定評のある学習塾で対策するのがおすすめです。

グラフや図の読み取りが苦手な人は、国勢図会やサイエンスフロンティアなどにある膨大なデータの読み取りを何度も行い、データに対する苦手意識を克服しましょう。

過去問で400点以上取れる学力の基盤を早めにつくり、その後は過去問を中心として学力レベルに合った対策をすることがおすすめです。

7:特色検査対策模試を受ける

特色検査対策模試は、記述式特色検査を研究して作成された模擬試験のことです。

全県模試と同日に実施され、60分(100点満点)の教科横断型の総合問題が大問4題で出題されます。

2023年の特色検査模試判定対象校志願者数は、8,054名にもおよびました。(前年度は6,937名)

特色検査対策模試はバックナンバーも提供されているため、模試を受ける前に学習しておくことをおすすめします。

8:塾に通って特色検査対策をする

塾の講師は、特色検査対策を目的とした効率的な学習方法に関する深い知識を持っています。

生徒一人ひとりのニーズに合わせた個別指導を行う塾であれば、自分の弱点や不安な部分にフォーカスした対策を進めることができます。

また、塾では多くの問題演習が行われるため、特色検査の問題の傾向や出題スタイルに対する理解を深めることが可能です。

塾は同じ目標を持つ仲間と一緒に学ぶ場でもあります。仲間と切磋琢磨し、競争意識を持つことでモチベーションを維持・向上に繋がるのも塾に通うメリットです。

 

ベストone藤沢校は特色検査対策に力を入れています

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まとめ

特色検査は、神奈川県立高校入試で難関校と呼ばれる高校が採用している独自の試験です。

生徒の個性や特性を独自の検査で評価し、多様な能力や興味を持つ生徒を受け入れるために実施されています。

特色検査で問われるスキルは、主に論理的な思考力や表現力、記述力などで、一般的な高校入試にはない実技検査や自己表現検査の対策が必要です。

特色検査対策に特化した学習で合格を掴み取りたい方は、ECCの個別指導塾『ベストone 藤沢校』にぜひご相談ください。

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監修:河原紀夫
ベストワン藤沢校学校長

横浜生まれ、鳥取育ち。
東京外国語大学外国語学部(現国際社会学部)中退、青山学院大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科中退。
大学生時代に塾講師として教壇に立ち、そのまま塾業界へ。塾業界28年。
「先生、できた!」「先生、ここが分からないんですけど」が大好物。
3歳から慣れ親しんだ自然も、田舎暮らしの中で憧れた都会の喧騒もどちらも好み、そのどちらも共有できる神奈川県藤沢市に在住。
都会と田舎を行き来するドライブと読書が趣味。養老孟司と大森正蔵とマーク・トゥエイン、J・D・サリンジャーを愛読。

 
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