小学生から中学生へ。お子さんにとっては大きな変化ですね。
保護者の方からは、以下のような声をよく聞きます。
「中学生になってから勉強が嫌いになった」
「部活が忙しくて勉強する時間がない」
「授業のペースが速いと言っている」
ではこういう時に親はどうすればよいのか?
今日ご紹介する2つのコトを理解して、お子さんに寄り添い、応援してあげてください。
まずは以下を理解してあげてください。
①中学の勉強が難しいと感じるのは当たり前
冒頭にも書きましたが、お子さんにとって小学生から中学生になることは大きな変化です。
具体的に何が違うかを以下に紹介します。
これを見れば「そりゃそうだ。中学の勉強が難しいと感じても当たり前だ。」と思っていただけると思います。
本格的な英語の授業が始まる
2020年の教育改革により、小学校英語教育が必修化されました。
しかし、本格的に英語を習うのは中学校からです。
またこの新学習指導要領への改訂に伴い、中学校での習得単語数も大きく増加したり、改革前には高校で習っていた内容の一部も加わったりしています。
部活に入るケースが多い
多くの中学校が部活動を推奨しており、多くの生徒が部活動に加入します。
部活に入ると、帰宅時間は18時過ぎになったり、朝練があったりします。
また土日両日に練習がある部活も多いようです。
となると、勉強する時間は少なくなり、またやろうと思っていても疲れていてモチベーションを保つことが難しくなります。
中間・期末というテストが始まる
小学校では、各教科の単元が終わると、それに関するテストが行われるのが一般的です。そのため、テスト範囲も狭く、勉強時間が少なくても高得点が取れます。
しかし中学校になると、中間、期末といった定期テストが導入され、テスト範囲も広くなります。しかも、中間テストは5教科、期末テストでは9教科など、テスト前に勉強する量は何倍にもなります。もちろん内容も、小学校に比べるとより詳細になるため、難しいと感じるのは当然です。この差は非常に大きいと思います。
授業のスピードが速くなる
先ほど紹介した通り、2020年の教育改革により中学校の習得単語数は増え、高校で習っていた内容も一部加わりました。となると、当然授業のスピードも上がります。
自分で予習・復習をしなければついていけなくなり、難しいと感じる子も多いようです。
平均点や順位が発表される
中学になると、小学校では発表されなかった平均点や順位が発表されるようになります。
これを励みにモチベーションを上げる子もいますが、その逆の子もいます。
特に、親に
「平均点より低いじゃない」
「〇〇ちゃんは平均点より10点も高かったってよ」
などと言われると、モチベーションと自己肯定感が下がり、勉強をしなくなるケースも多いのです。
ここで勉強をしなくなってしまうと、基礎力がつかないため、どんどん勉強が難しいと感じていきます。
高校入試の内申点を意識する
中学に入ったばかりの頃は、「高校受験はまだまだ先」と思いがちですが、中1の基礎は非常に大事です。
特に、積み上げ式教科である英語と数学では、中1の学習内容が非常に重要です。
神奈川県では中2からの成績から高校入試の内申点に含まれますが、中1で土台が作れていないと、結局は調査書や内申点に影響を与えることになります。
こういう初めてだらけの環境で、お子さんたちは勉強をしなければならないのです。
②目標を設定しないと勉強は難しい
次に理解しておきたいコトは、目標がないまま勉強をすることは非常に難しいということです。
これは大人にとっても同じです。今回は、大人も使っているSMARTいう目標設定の法則をご紹介します。
ご存じの方もいると思いますが、ビジネスの世界でも使われています。
この法則には5つの要素があります。
🍀SMARTの法則🍀
★要素1:Specific(具体的に)
★要素2:Measurable(測定可能な)
★要素3:Achievable(達成可能な)
★要素4:Related(目標に関連した)
★要素5:Time-bound(時間制約がある)
この法則にしたがって、中学生の目標と目標を達成するためのアクションを設定することは効果的です。
ここでは、すでに「〇〇高校に合格する!」など目標がある人と、まだ目標が見つかっていない人に分けてご紹介します。
目標がすでにある人
目標がすでに決まっている人は、この法則にしたがって、より明確な細かい目標を設定することで、「中学の勉強は難しい」と言わなくなる可能性があります。
Specific(具体的に)
例えば「〇〇高校に合格すること」が目標だとします。この最終目標自体は、すでに具体的で明確ですね。
このように、少し先の目標が決まっている人は、ここからもう少し細かい目標を具体的に決めましょう。
〇〇高校に合格するためには、内申点を意識しなければならないため、定期テストの結果が重要になってきます。
そのため、例えば
次の中間テストで、得意の英語と数学は90点以上取る。残りの3教科は70点以上取る。
などです。
Measurable(測定可能な)
ここでは、測定ができる目標を意識します。
例えば、
平日は1日1時間、週末は1日3時間、テスト前1週間は1日4時間勉強する
などです。
数字で分かるようにすることで、「できたのか・できなかったのか」が明白になります。
Achievable(達成可能な)
達成可能な目標をお子さんに決めさせてください。
ちょっと高い目標の方がモチベーションが上がるのではないか、と親は考えがちですが、これは逆効果になりやすいので注意してください。
高すぎる目標を設定すると、「こんなの達成できるわけない」と勉強をしている途中から思い始め、モチベーションが下がるケースがあります。結果が出る前に放棄することもありますので、本人がちょうどよい目標を設定するようにしてください。
Related(目標に関連した)
最終目標に関係のない教科を頑張るのは、目標に関連していませんね。
内申点を全体的に上げたい場合は9教科すべて頑張らなければ!と思いがちですが、志望校が内申に重点を置いている教科や、入試科目によっては5教科、3教科などに絞られるかもしれません。
せっかく目標が決まっているのですから、どの教科に重点を置くべきか、学校や塾の先生にも相談してみてください。
Time-bound(時間制約がある)
最後は、期限を決めることです。
細かいほうが良いと思います。
例えば、
英単語は30ページまでを、来週の金曜日までに暗記する
数学の問題集を8月末までに最後まで終わらせる
などです。
目標がまだない人
どこの高校に入りたいなど、まだ目標がなくても全く問題ありません。そういう人の方が多いかもしれません。そういうお子さんには、近い将来の目標を一緒に考えてあげましょう。
Specific(具体的に)
お子さんと是非、興味のあることについて話し合ってください。
例えば
- 英語が好きだから
次の英検に合格する - ゲームが好きだから
プログラミング検定に合格する
などです。
Measurable(測定可能な)
ここからは、目標がすでにある人と同じですね。
例えば、
平日は1日1時間、週末は1日2時間勉強する
または
塾の英検対策に週2回通う
数字で「達成できたのか・できなかったのか」が分かるようにします。
Achievable(達成可能な)
達成可能な目標にしましょう。
英検の場合は、段階があるため、現在の実力に合った級を選ぶようにします。
分からない場合は、塾や学校の先生に聞いてみてください。
💡英検のメリットや各級の目安についてはこちら
ちょっと高い目標の方がモチベーションが上がるのではないか、と親は考えがちですが、これは逆効果になりやすいので注意してください。
Related(目標に関連した)
目標に関係のない教科を頑張るのは、違いますね。
プログラミング検定ならプログラミング、英検なら英語の勉強をしてください。
Time-bound(時間制約がある)
最後は、期限を決めることです。
細かいほうが良いと思います。
例えば、
英検の出る単は30ページまでを、来週の金曜日までに暗記する
プログラミングの問題集の前半を8月末までに終わらせる
などです。
目標設定が難しいという場合は、是非ご相談ください。
ベストワン藤沢校では、5教科のほか、英検対策にも力を入れています。
ライター:川崎香織
神奈川県生まれ。江ノ島のそばに住むようになってからは25年以上。
テンプルユニバーシティ教養学部卒。
会社員やECCジュニアのホームティーチャーを経て、現在はベストワン藤沢校の事務スタッフとしてブログやSNSを担当しています。
子供たちが頑張る姿を見ながら仕事ができるなんて、最高の職場環境です♪
監修:河原紀夫
ベストワン藤沢校学校長
横浜生まれ、鳥取育ち。
東京外国語大学外国語学部(現国際社会学部)中退、青山学院大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科中退。
大学生時代に塾講師として教壇に立ち、そのまま塾業界へ。塾業界28年。
「先生、できた!」「先生、ここが分からないんですけど」が大好物。
3歳から慣れ親しんだ自然も、田舎暮らしの中で憧れた都会の喧騒もどちらも好み、そのどちらも共有できる神奈川県藤沢市に在住。
都会と田舎を行き来するドライブと読書が趣味。養老孟司と大森正蔵とマーク・トゥエイン、J・D・サリンジャーを愛読。