英語のシャドーイングって聞いたことありますか?
英会話教室のECCジュニアではだいぶ前から取り入れています。
このシャドーイングの効果が注目を浴びているようなので、今日はご紹介したいと思います。
シャドーイングとは
シャドーイング(shadowing)は、影という意味の「shadow」から来ています。
その名の通り、聞こえてくる英文の音源の後を影のように一歩後ろから追いかけて読む訓練方法です。
もともとは同時通訳の人のための訓練方法でしたが、学校の英語のリスニングやスピーキングの強化などにも大変役立つと高く評価され、今では学生たちの英語学習に導入されています。
★リピートとの違い
リピートとの違いをご紹介します。
まずリピートは、1文(またはフレーズ)を聞き終えてから繰り返します。
これに対してシャドーイングは、重ねるように読みます。
シャドーイングの効果
結論から言うと、シャドーイングによってリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能すべてが向上します。
特に、シャドーイングによって以下のことが分かるようになるため、リスニング力は大きくアップします。
母音の発音
日本語の母音は5つですが、英語は24。
例えば「Mat」(敷くマット)と「Mug」(マグカップ)は、カタカナで書くと同じ「マ」が付くので同じ発音になりがちですが、英語の発音は「Ma」と「Mu」では違いますね。シャドーイングを繰り返し練習すると、こういう発音の差が体で分かるようになるため、聞いた時にどの単語を言っているか分かるようになります。自分でも発音するため、スピーキング力のアップにもつながります。さらに、スクリプト(英文原稿)を見ながらシャドーイングするため、発音の違い=スペルの違いも見えてきて、リーディングとライティングの力も付いてくるのです。
正しいアクセントの位置
正しいアクセントの位置は英語の授業でも習いますが、アクセント記号を見ているだけではなかなか覚えられません。実際に聞いて、自分で発音すると「なるほど」と合点がいくのです。こうなれば、聞き取れる単語が増え、リスニングの試験にも強くなります。また、ネイティブに通じる英語が話せるようになります。
リエゾン
リエゾン(Liaison)とは、音のつながりのことです。リンクサウンドやリンキングなどと言われたりもします。
例えば「have it」は「ハブ イット」とは聞こえません。どちらかというと「ハヴィッ」という感じでしょうか?
このリエゾンに慣れていないと「何?ハビット(habit)?習慣てこと?」なんてことになりがちです。
シャドーイングによってリエゾンを体験していくと、次第に何を言っているのか分かるようになります。
英語のリズム
アクセント以外にも、強弱、上がったり下がったりと英語には独特のリズムがあります。特にストレス(stress)と言われる強く発音する箇所が英語のリズムを作り出すと言っていいでしょう。ここが日本語とはだいぶ違うようです。
シャドーイングでこのリズムを体感・実践していくと、スクリプトを見る前でもどんな状況の話なのか、そしてだいたいどんなことを言っているのかも分かるようになります。
スピーキングにも効果的です。極端な言い方をすると、このリズムを掴んでいれば、発音自体がそんなに上手でなくてもネイティブには通じるものです。
昔、アメリカ映画に出ていた日本人俳優が、リズムは英語っぽかったのですが、完全なカタカナ英語でセリフを言っていました。一緒に映画を見ていたアメリカ人に
「彼の英語分かる?」
と聞くと
「完璧にわかる」
と言っていました。それだけリズムは大事なのですね。
シャドーイングの方法
シャドーイングのやり方は以下のように色々あります。
- スクリプトを見ずにいきなりシャドーイングから入る方法
- まずはリスニングから始めて、リピートを何度か繰り返してから最後にシャドーイングをする方法
- シャドーイングの1回目を録音して弱点を確認する方法
- 日常英会話用のテキストブックに付いている音源を使って、ひたすらシャドーイングを繰り返す方法
ECCベストワン藤沢校でも、特にリスニング力のアップのためにシャドーイングを取り入れています。
当校では、意味がすでに分かっているスクリプト(英文原稿)を使います。
①スクリプトを選ぶ
特に小中学生は教科書の文章で良いと思います。
すでに習っていて意味が分かっている文章です。
最近では教科書にQRコードが貼ってあり、読み込むと音声を聞くことができます。
こういうタイプのテキストの場合は、これを使いましょう。
教科書に音声が付いていない人は、音声付きの教材を使います。
②音声を流す
一度音声を流して確認します。
もちろんスクリプトを見ながら聞いてみてください。
すでに習っている内容なので理解できるという人は、確認終了です。
まだ習っていない文章を使う人は、どのくらい理解できるかを確認してください。
ほとんど内容が分からない場合は、もう少し簡単な内容に変更します。
③シャドーイングをする
いよいよシャドーイングです。
音声の少し後から付いていくモノマネだと思ってください。
発音だけでなく抑揚、単語と単語の区切りやつながりも真似します。
これをほぼ同じように読めるようになるまで繰り返します。
まとめ
🍀シャドーイングは、リピートとは違い、音源のすぐ後を追うように読む
🍀シャドーイングは、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能すべてに効果的
🍀シャドーイングによって分かるようになること:
- 母音の発音
- 正しいアクセントの位置
- リエゾン
- 英語のリズム
🍀ECCベストワンが使っているシャドーイングの手順:
- スクリプトを選ぶ
すでに意味が分かっている文章を使う - 音声を流す
一度聞いてみて意味が分からない場合はもっと簡単なものに変更する - シャドーイングをする
音声の少し後からモノマネするように読む